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2009.10.27 (Tue)

†Arc_Record†  reportNO.09

†Arc_Record†  reportNO.09

ヴィエはいつもの自室でいつものように睡眠をとっていた。
ただ、今までと違い、すぐに寝付くことはできなかった。
「なんか、私変。もっと前は任務とかでぼろぼろに疲れ果てても平気だったはずなのに・・・。今は外傷も無いのに胸が苦しくて眠れない・・・
詩貴・・・愛って何?私わからないままだよ・・・。」
窓から差し込む月の光が、常人よりも色白いその肌を照らしていた
「やけに静かだな・・・・。っ!?
・・な・・・何?」
地震のような揺れを感じてヴィエは窓から外を見てみる
「防御プログラム“シールド”が展開されてる・・・」
ヴィエが窓を覗き込んだときだった

___かつーん、かつーん

「!?」
真夜中に暗い廊下から足音が近づいてくる
ヴィエは起き上がり、部屋のドアに正面を向けて立ち、じっとまつしかなかった

____かつーん・・・かつん

「・・・」
足音が部屋のドアのすぐ前で止まる。
こんな夜中に、誰が・・・?
こんなに静かな場所に無機質ながらも人の気配を感じる

「・・・ぇ・・・?」

そして、それは
その音は

「こんばんは、こんな時間に起きてるんだ・・・。さすがの君でもご就寝中かと思いましたよ、谷中恵奈」

「私の本名しってたの?」

月明かりの中、幼さを残した茶髪の髪

「あたりまえですよ」

顔を少しだけうつむけ、黒いフレームの眼鏡をはずした

「そういう名前で作ってくれって言われたんだから」

「詩貴!?」

「君は・・・俺の最高傑作だったんだよ?何も知らなければね」








____________________________________
これの次が最後の章(?)になります
エピローグ含めると後二つ
こうなること読めてなかったら一番いい文字書きさんなんだろなぁ・・・

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2009.10.26 (Mon)

†Arc_Record†  reportNO.08

†Arc_Record†  reportNO.08

「新月・・・おい新月」

「なんですかもう、僕だってそんなに暇じゃありませんよ?」

「“僕”って・・・。ずいぶんとあの子と親しいそうじゃないか」

「上からの任務ですから・・・“俺”の最期のね」



~~~~
「詩貴・・・詩貴があなたを作ったっていうの?」

「まぁ、そうだね・・・。正確には俺の性格感情プログラム。ブレイン言語ってやつを扱えるこの研究所の中でも数少ない研究者だからな・・・。」

メサイアはふわりふらりと何をするでもなく部屋の中を歩いたりしていた。
ヴィエはドアの前で今もずっとメサイアを警戒している

「ねぇ・・・アディミューって・・・あの悪魔って・・・。私の姉なの?」

「君の思考ルーチンではそういうことになってるねぇ」

「そういうことって・・・・」

「君に姉妹兄弟はいない」

_____じゃあ・・・・・私の中の微かな記憶の姉さんは一体何だって言うの?_____

「あ・・・あなた、私をどうしてそんなに知ってるの?」

「そりゃあ知ってるよ、最初ワクチンは君ではなく俺がなるはずのものだったんだ。
ワクチンプログラムに感情入れたらこのとおり暴走しちまったわけさ
悪性ウィルスプログラム、アディミュー(悪魔・アダム)を消すために生まれたわけ。でも俺は感情を手に入れたとたん悟ってしまったのさ」

なんとも悲しい形にメサイアの感情が揺れる
そのシグナルはとても微弱なものだけどヴィエには十分に伝わっていた。

「俺はただのプログラムで人間よりも儚い。たった一文字プログラムに加えてみな
ただのゴミになるから・・・・」

人は・・・神の領域に手をだすつもりなのか・・・
簡単に生命を生み出したりすることは禁忌ではないのか・・・

自分もプログラムとの半融合体であるが、そんなことを考えていると、ふと気づいた

「メサイア・・?あなた、アディミューも自分で作ったっていってなかった?」

「ふふ、手厳しいな
そうだね・・・・君も真実を知るべき時なのかな・・・

新月・・・最期の任務を完了させてやろう・・・俺も疲れた、アンタと同じでね」

メサイアの最後の一言はヴェエには聞こえなかった

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2009.10.26 (Mon)

†Arc_Record†  reportNO.07

†Arc_Record†  reportNO.07
「科学って怖いね、お互いの血液遺伝子で生命できちゃうんだから」

「言い方酷いよヴィエ、僕らの子供、でしょう?」

「...私、普通の人間じゃないんだけど...」

少し頬を紅潮させたヴィエはシーツに包まれている小さな男の子をみていた

「研究所で育てるからさ、公認だから大丈夫」

「うん、名前なんだけど」

「ん?いい案あるの」

「今、夏だし夏の熱い日に負けない子、貴方から一文字貰って...」


ヴィエの表情は、いままで一度も見せたことのない笑顔だった


~~~~~~
「いいのかなぁ...」
「!!」

ヴィエが自室に戻るとそこに金髪の青年がいた

「メサイア...夢じゃ、なかったのね
貴方は何なの?」

「俺?何に見える?」

飄々と答える彼はどこか愉しげにみえる

「俺はね、人の手でつくられたプログラムなんだよ
ただのプログラムじゃあ、ないんだけどね
君もっているものさ」

「私も...どういうこと?」

「あの子、あまり信じ過ぎないほうがいいとおもうんだけどな、俺」

メサイアは長い髪をもてあそんでいる

「詩貴のこと?どういう...」

「ま、いいんだけどね、俺としては君がどうなろうと」

ふわりとたつと、メサイアはヴィエに向き直る

「ただいいこと教えてあげる

悪魔のアデュミューのデータはこの研究所にあるよ

わかってるんだろう、アデュミューが君と同じ顔をしていたということは

そうそう、イヴィリーもアデュミューも中途半端になっちゃってねぇ
現在バックアップしか機能してないんだ」

メサイアはコンピュータをほぼ普通の人間のように操作している
しかし、ヴィエは先ほどメサイアが言っていた言葉が引っかかる

「人の手で作られたプログラムっていったわよね?貴方」

「あ、お気づきになられました?そうですよ、俺は人間の手で作られたプログラムに感情が宿ったもの。というよりは感情を入れられたもの。」

「誰なの?貴方を作った人って」

メサイアは心底愉しそうに薄く笑いながら言う

「おやおや、聞いていいんですかぁ?」

知るか知らないか、かなり大きな選択肢ですよ、と彼は笑う

「私の過去と、今の現状が把握できるなら、その人に会えば貴方の対処法もわかりそうだし・・・。」

メサイアの口元がにやりと笑った

「知りませんよ、どうころがっても・・・というよりも、貴方が現実に目を向けられるなら・・・話は別ですがね」

「じれったいわよ」

「・・・・俺を作ったの・・・」





___________・・・・



「新月・・・詩貴」

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2009.10.26 (Mon)

†Arc_Record†  reportNO.06

†Arc_Record†  reportNO.06

意識が朦朧とする中でヴィエは体が宙に浮いているような不思議な感覚に包まれていた。
その感覚に気づくと閉じている瞼をゆっくりあけた
「お目覚め?」

「!!」

「おいおい、そんな物騒なもの出さないでくれる?」

ヴィエが目を開けたとき、目の前には金髪の青年がいた。

「その論理回路下ろして」

「あなた、誰?ココは・・・・?私、生きてるの?」

目の前の青年は長い金髪を一つに束ねたような髪に色白で、ひどく綺麗だった

「一気に質問しない・・・。俺はメサイア、ココはプログラム領域とでも言えばいいのかな・・・。」

「あ、私確かウイルスと戦ってて」

「フフ・・・そうなんだよねぇ・・・。」

ヴィエに背を向けたメサイアは喉で笑う
なんだか、いい感じはしない。

「メサイア・・・どこかで・・・。意味は光の神・・・自ら神を名乗るの・・・・?それとも本当に神?」

「それっぽい事はしたかな、君に壊されかけたけどね」

嫌な・・・予感がする。

ヴィエは“メサイア”という単語を脳内スキャンした

「ぁ・・・」

「俺の可愛い天使をさぁ!」

「!!っ・・・イヴィリー製作者・・・・」

「彼の言葉、覚えていてくれて光栄・・・」

こいつを何とかすればウィルス関連の事件はすべて片付く。
そう思ったヴィエは改めて自分の右手の中にある論理回路をぎゅっと握り締める

「俺を消すつもり?まぁ、そういう考えにいたるのは判るけどね」

「アディミューを作ったのもあなた?」

「そうかもねぇ・・・」

曖昧ながらも肯定するメサイアを見る。気持ちが酷く空虚なのは何故だろう・・・。

「でもね」

「!」
秒単位の速さではなかった。
メサイアの長い指がヴィエの額に当たる
片手で顔をつかまれている
「何の真似?」

「とりあえず君はココから出るといい。ファイルを展開したまま考え込んで寝落ちしてる状態なんだよ、元いた君の現実世界に帰るといい。」

なんだ、普通に正論をいう・・・と思った矢先、先ほどのことを一気に思い出させられた

「待ってるよ・・・魔女」

「!」






はっと、目を開ける
今まで見ていたもの、聞いていたもの、感じていたものがすべて曖昧になっていく。でもメサイアの言葉は忘れられないでいた。

「ヴィエ!大丈夫か?かなりうなされていたが」

目を開けた瞬間から視界に飛び込んできたのは詩貴だった。

「え?嘘・・・夢?」

「良かった、目覚めてくれて」

ヴィエは上半身を起こす
そこは、何時ものヴィエの自室だった

「っ・・・詩貴!?え?どしたの?」

ベッドの横から詩貴が腕を伸ばしてヴィエを抱きしめていた

「無事でよかった」

「詩貴・・・?どうしたの?昨日から貴方可笑しい。」

「可笑しい・・・?解ってました?」

「うん、詩貴をスキャニングすると、貴方少しだけ体温が上昇してるし、心拍数早いし・・・私もだけど・・・なんか、顔、直視できない・・・。」

詩貴は少し不思議そうな顔をして

「ヴィエも、僕と同じなんだ・・・。じゃあよかった」

「え!?」

「僕は今回、貴女を失ってしまうのではないかと・・・そんなことになったら・・・考えただけで怖くて仕方なかった。今まで僕は自分の気持ちすら気づいていなかった。・・・。」

ヴィエは首をかしげる事しかできない。もう何年の付き合いになるはずだ。でも親しくなったのは昨日のことなのに。もちろん詩貴とはずっと前から一緒に仕事したり生活したりしていた。でも名前まで聞いて今まで以上に急に親しくなったのは昨日のはずだ


「僕は貴女を愛してしまっているんですよ」

その言葉の意味を最初ヴィエは理解できない



____愛って・・・何?

今までヴィエには与えられた事のないもの。
それがどんなものか、全くわからない

自分は幼い頃に捨てられた身
親の愛情だって知らない

____愛って・・・一体何?

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2009.10.26 (Mon)

†Arc_Record†  reportNO.05

†Arc_Record†  reportNO.05

戦いの基本は落ち着くこと
ワクチンであるヴィエが落ち着かなければ逆にウイルス侵食を許してしまう

片眼めがねに搭載されているスキャン機能で天使イヴィリーを調べる
不自然に赤い右の瞳がイヴィリーを構成しているデータ列と違っていた。
その間に細かい歪が多くあることが簡単にわかる。

“救世主”の論理回路なら歪を壊す事はそう難しい事ではないだろう。

しかし、一つ、ありえないというか、不自然すぎる事が判る


イヴィリーはウイルスコードネームが天使。その言葉からも判るようにその背からは真っ白な翼が生えている。
しかし、その赤い瞳、右目だけデータ羅列がどう見てもDevilだった。

データの歪としては大きすぎる損傷だった
しかし、こんな事が実際にありえるのだろうかと疑問を抱く。

天使と悪魔、相容れない存在のはずの二つのデータが一つの個体の中で同時に合わさる事が・・・
逆に拒否反応がでないのかと危惧するところである。


そんなことをしているうちにイヴィリーはふわりと宙に浮き、片手にプログラムファイルを書き出していた

「知識だけではどうにもならないこともある・・・判ってても避けられないってものもあるんだよ」
イヴィリーはそのプログラムファイルをヴィエの片眼めがねに放ってきた
情報収集をさせないつもりか・・・
しかし、その瞬間にまたひとつ、ヴィエを戸惑わせる情報を受信してしまった



データコードネーム:魔女



その文字に頭がくらっとくる
視界が揺れたように感じた
“私?”

その魔女がヴィエ(魔女)を指しているということが何故か直感でわかってしまった。

「なに・・・・?なに・・・これ・・・!?」

“ジ・・・・・ジジジ・・・・”

インカムからは相変わらずノイズ音しかしない

“・・・ジジ・・・エ・・・ィエ・・・ジ・・ジジジ”

ノイズ音の中、かすかに聞こえた詩貴の声を拾い意識を集中させるため、思わずインカムを左手で押さえる。
そして論理回路を握る右手に力が入る

「詩貴!?私・・・どうすれば・・・・」
“その天使の・・・・右目に「救世主」を使え・・・”
今度ははっきりと聞こえた詩貴の声に揺らいだ視界を忘れた
意識をしっかりともち、イヴィリーに走っていく
「っく・・・何故、何故ウィルスファイルがかき消される?」
ヴィエに向かっていたウィルスの攻撃は、ヴィエが戸惑っているあいだに勝手に掻き消えていた。
データコードの魔女に反応したのだろうか・・・
その掻き消えたときのデータの嵐に、データを放ったイヴィリーに反動がきたのか、イヴィリーのプログラムを書き出していた方の手は途中から消えてデータのプログラムが露出していた。
「イヴィリー!させないよ」
ヴィエの後ろからアディミューがすごい勢いで飛んできた
ヴィエはそれに構わず思いっきり論理回路、すなわちデータの武器でイヴィリーの右目を狙う
イヴィリーは後ろに一歩下がるのが精一杯だったようだ。しかし射程距離ギリギリのヴィエの攻撃はその右目を僅かに傷つけた
しかしそれ以上にイヴィリーの前にアディミューが盾のように間に入ったため、アディミューの目を覆い隠していた仮面を見事に割った。
「・・・・っ!?」
アディミューの顔から滑り落ちる仮面。
「魔女・・・私はね・・・」
それは、ぼろぼろと崩れながら・・・
「私は・・・貴女だから」
彼女はさっきまでの微笑とは明らかに違う、彼女に似合わない、悲しい笑顔を見せた。でもそれは一番魔女に似合う、悲しい笑顔
「え・・・う・・・嘘・・・・」
右目をハートの眼帯で縫いこんであり、見える左眼は赤い色をしていた
「嘘・・・・何で」
自分の目の前の
「だから、私はね」
自分と、同じ顔・・・・。
「貴女の一部なのよ・・・」
また眩暈がヴィエを襲う
くらっと視界が暗転して
何も考えられなくなるくらい考えすぎた・・・・

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